スウェット
全8件を表示新しい順
-
白夜を渡る鯨
¥8,900封蝋No.002
ここでは必ず夜が訪れていました。
人々は一日の終わりに家へ戻り、灯りを消して眠りにつく。
それは誰にとっても当たり前のことだったのです。けれど、ある日のこと。
いつもの時刻になっても空は暗くなりませんでした。夜が来なかったのです。
時計の針だけが進み
人々は眠ることもできず、ただ空を見上げていました。「いつも通りではない」
ただそれだけで心はこんなにも揺らいでしまうのです。けれどその中でただ一人、違う想いを抱いた人がいました。
まばゆい白の光に包まれたその世界で
彼女ははじめて息がしやすいと感じてしまったのです。ずっと「おかしい」のは自分だと
そう思い続けていたのに。世界の誰もが夜の戻りを待つ中で
彼女だけはその先の白夜の向こうを見つめました。戻れなくなるかもしれない。
それでも「今」選択しなければそう思った彼女は
白夜の中へと渡っていきました。どうかこの手紙が
立ち止まるあなたのもとへ届きますように。 -
月を望む猫
¥8,900封書No.001
拝啓
親愛なるあなたへ人には優しくあるべきだと
教えられてきたはずなのにその優しさが、誰にも届かないように思えたり
報われないもののように感じてしまうことはありませんか。それでも私は
あなたの優しさは決して失われるものではないと信じています。それは太陽のように強く輝くものではなく
ただ夜にそっと寄り添う月明かりのように
静かに、確かに、誰かを照らしているからです。気づかれなくても、言葉にされなくても
その想いは、きっと誰かの心に。どうかこの手紙が
優しいあなたのもとへ届きますように。敬具








